第2期からエキスパートルールが制定され、カードの効果も幅が広がり、カードゲームとして深みを増していった遊戯王OCG。第3期では、さらに具体的な効果を持つカードが増えて行きました。
これは、カードデザインが現在に通ずる「世界統一フォーマット」に変更され、テキスト欄がより幅広くなったことが大きく影響しています。
攻撃力と守備力は、それぞれATKとDEFとして右下に小さく表記する形に変更へ。文字サイズも小さくなり、文字のスペースが広がったことによって2つ以上の効果を持つカードも多数登場しました。
第3期発売のメインパックと注目カードまとめ
新たなる支配者
2002年5月16日に発売された、第3期のスタートを飾ったパックです。
原作のバトルシティ編にて、闇マリクと城之内が準決勝の舞台で使用していたカードが主に収録されています。あの有名な「城之内死す」の次回予告でお馴染みの場面ですね。
ウルトラレアは、闇マリクの使った「地獄詩人ヘルポエマー」の他、「ジャッカルの聖戦士」「王家の眠る谷-ネクロバレー」があります。
中でも注目はネクロバレーでしょう。このパックでは「墓守」と呼ばれるカテゴリのカードが複数登場しました。このカテゴリは、遊戯王史上初のデザイナーズデッキとしても有名です。
ネクロバレーは、墓守デッキのモンスターを永続的に強化するキーカード的存在として活躍しました。
第2期の後半より始まった、復刻アルティメットレア枠が第3期からも続投されています。今回は原作の城之内を意識してか、「真紅眼の黒竜」が登場。「溶岩魔人ラヴァ・ゴーレム」と「バイサー・ショック」のレリーフも収録されています。
ユニオンの降臨
2002年7月18日に発売した、黄色の明るい色合いが印象的なパック。
原作のバトルシティ編で、海馬が闇遊戯とのバトルで使用した「XYZ」シリーズのモンスターがメインテーマとなっています。これらXYZのモンスターが、OCGでは「ユニオン」カードとして登場しました。
「XYZ-ドラゴン・キャノン」はその集大成的な存在で、シークレットレア枠に入っています。他にも、別のフォルムとして「XY-ドラゴン・キャノン」「XZ-キャタピラー・キャノン」「YZ-キャタピラー・ドラゴン」といったカードが収録されています。
ウルトラレア枠では、魔法の効果を封じる「マジック・キャンセラー」が有名です。攻撃力の低さが弱点ではありましたが、当時の環境では他にはない強力な魔法対策カードとして使われていました。
復刻アルティメットレア枠は「リボルバー・ドラゴン」となっています。
黒魔導の覇者
2002年9月19日に発売した魔法系の雰囲気が漂うパック。原作では遊戯、孔雀舞が使っていたカードが入っています。
注目はなんと言っても、パッケージを飾る「魔導戦士 ブレイカー」です。召喚効果が発動すれば攻撃力1900という高火力であり、魔力カウンターを消費すればさらに除去効果を発揮します。
当時としては超優秀な下級モンスターであり、多くのプレイヤーがデッキに採用していました。
そして、ハーピィに代わる孔雀舞のテーマである「アマゾネス」のカテゴリが新しく登場。ウルトラレア枠には「アマゾネスの剣士」が収録されました。
シークレット枠には「超魔導剣士-ブラック・パラディン」が収録。アルティメットレア版は今でも価値が付いています。
デュエリストにとっては、「魔導サイエンティスト」や「熟練の黒魔術師」が、環境に大きく影響を与えた事が有名です。復刻アルティメットは「バスター・ブレイダー」。
ガーディアンの力
2002年11月21日に発売した、アニメの「乃亜編」で活躍したカードが収録されているパックです。
「ガーディアン・シール」や「ガーディアン・バオウ」といった「ガーディアン」カテゴリのモンスターが数多く登場しました。ガーディアンをサーチする「ウェポンサモナー」も収録されています。
注目は、乃亜編で登場した「黒炎の騎士-ブラック・フレア・ナイト-」や、「天界王シナト」など、原作で活躍したカードがノーマルレアで収録されている点です。
海馬がアドバンス召喚でよく使っていた「カイザー・グライダー」もシークレットレアで入っているのですが、上記2つはそれよりも高い価格で取引されています。
復刻アルティメット枠には、「カオス・ソルジャー」が収録。やはり見た目の美しさだけあってか、高い値段が付いています。他、実戦で有名だったものでは「おジャマトリオ」があります。
闇魔界の脅威
2003年2月20日に発売された悪魔種族をメインテーマとしたパックです。原作で登場したイシズやリシドのカードが多数含まれています。
「ジェノサイドキングデーモン」や「迅雷の魔王-スカル・デーモン」をはじめ、「デーモン」と名の付くモンスターと、それを指定する効果を持つカードが複数収録されているのが大きな特徴です。このパックより「デーモン」が正式にカテゴリ化されました。
また、原作においてバクラの元で行われたTRPGで、ラスボスとして登場した「闇の支配者-ゾーク」がカード化されているのも、原作ファンには嬉しいポイントです。
他にも、第2期の「王家の守護者」で登場した黒蠍盗掘団のカードがシリーズ化して登場。特に「黒蠍-棘のミーネ」は、ミーネ・ウイルスと呼ばれる「死のデッキ破壊ウイルス」との凶悪なコンボデッキでよく使われました。
復刻アルティメットには、テーマに関連してか「暗黒魔族ギルファー・デーモン」が再録されています。
混沌を制す者
2003年4月24日に発売した、原作で闇マリク等が使っていたカードが収録されているパックです。強力なパワーカードが多数追加され、当時のデュエルに大きな影響を与えたパックでもあります。
最も有名なのは「カオス・ソルジャー -開闢の使者-」でしょう。攻撃力3000でありながら、召喚条件が緩い上に敵モンスターを除外する能力を持つなど、当時の環境では圧倒的な性能となっていました。
「混沌帝龍 -終焉の使者-」や「カオス・ソーサラー」といった、「カオス」の名を持つモンスターが複数追加されています。他にも、「速攻の黒い忍者」などの「忍者」がカテゴリ化されていることも注目のポイントです。
ノーマルでは、実戦で優秀な下級アタッカーとして使われた「怒れる類人猿」が有名でしょう。
復刻アルティメットは「マジシャン・オブ・ブラックカオス」です。
暗黒の侵略者
引用元:https://page.auctions.yahoo.co.jp
2003年7月17日に発売されたパックです。原作で羽蛾の使った昆虫関連のカードに加えて、ドーマ編に突入したアニメで登場したカードが収録されています。
今までのパックで登場したカードのリメイクが多く、今までスポットの当たらなかった種族のカードが数多く追加されたりと、独特な色が感じられるパックです。
トップレアである「混沌の黒魔術師」は、当時のデュエルでも活躍していました。召喚条件こそ容易ではないものの、墓地の魔法カードを再利用できる効果は高い汎用性を持っています。
「暗黒の」と名の付くモンスターが多数収録。中でも「暗黒のマンティコア」は、自己再生する特殊な能力によって無限ループが可能です。「生還の宝札」を組み合わせることで無限ドローが成立し、エクゾディアを揃えるなど、理不尽なデッキを生み出しました。
また、除外されたモンスターを呼び出す「次元融合」もこのパックでは有名な、1ターンキルを可能とするほど驚異的な効果を持つカードです。現在は制限されています。
復刻アルティメット枠は「封印されしエクゾディア」です。
天空の聖域
2003年11月20日に発売されたパックです。これまでとは毛色がガラッと変わり、光属性や天使種族が多めの明るいコンセプトで登場しました。
フィールド魔法カード「天空の聖域」と、このカードが場に出ている間のみ効果が発動するカードが多数入っています。「ゼラの戦士」をリリースして召喚する「大天使ゼラート」はアルティメット版もあり、そちらは特に価値が高くなっています。
デュエルで目立っていたものには「モンスターゲート」があります。ノーマルではありますが、通常召喚できるモンスターが出るまでドローし続けるという効果が、様々なデッキの凶悪なコンボに使われました。それまでに引いたカードを墓地に捨てる、という効果を上手く生かしたデッキまで登場しています。
アルティメットレア枠は「人造人間-サイコ・ショッカー」です。
ファラオの遺産
第3期のラストとなる2004年2月26日に発売されたパックです。第2期の「王家の守護者」のように、砂漠やミイラなど古代エジプトを連想させるものがテーマとなっています。
罠カード「第一の棺」で特殊召喚が可能な「スピリッツ・オブ・ファラオ」は、アルティメットレア版であれば、それなりの値段で高額買取されるほど人気があります。
デュエルにおいて目立っていたのは、「神殿を守る者」ではないでしょうか。「神殿フルハンデス」と呼ばれるデッキで、メタモルポットと組み合わせることで相手のハンドを0枚にし、自分は手札を5枚にすることが可能です。
現在ではどちらのカードも制限がかかっています。
アルティメットレア枠は「竜騎士ガイア」です。